阿鼻叫喚

常日頃から会社の悪口を喧伝しておいたおかげで行く先々で同情の嵐。日頃の行いが良いとこういうときに助かる。すかさずヅラ会長への悪口雑言および罵詈雑言を喚き散らし、果ては天皇制批判までしているうちに、いつの間にかおれは悲劇のヒーローになっていた。正確に言えば犠牲者被害者障害者。にょほほ、これが噂に聞く責任逃れ。そんな事は気にせずにけものがれ(Get Wild)、オノレの魂と。そしておれは目にする。筋ジストロフィーを象った純金のトロフィーを胸の中のトルソーに持たせ、隣には筋萎縮性側索硬化症と、パーキンソン症を患った今回のキーパーソン(もの言わぬ証人)が立っているのを。彼は今回の処分は脱法行為だと宣った、おれの心は飛んでイスタンブール、の隣にある和歌山県へと向いている。彼の言う事は全く持って正しい。一点の曇りもない。その眼の美しさに心奪われたおれは落合記念館にいつか行く事を誓いつつ、中日ドラゴンズの試合のない事を幸運に思いつつ、来週も週刊少年ジャンプを読めるだろうかと疑問におもいつつ、バックギャモンに興じている。グラスには八つ切りにされたライムと、丸い氷と、タンカレーとビフィーター(牛肉を喰らう者)のどちらかと、アルプスの岩塩と、ピンクレモネードが入っていて、そのコムスンと名付けられたカクテルをぐいと飲み干して一言、24時間介護サービス、と呟いた。